ストーカ式焼却炉内のごみ燃焼解析
 

ストーカー式焼却炉に投入されたごみの燃焼過程を再現した混相流解析事例。
ごみの挙動は、粉体解析の手法であるDEM(離散粒子モデル)を応用した独自開発の代表粒子(粗視化)モデルを用いて解析しています。
投入口から投入されたごみは、焼却炉内の火格子の上に乗って灰排出口方向へ移動していきます。
その際、火格子の下からは一次空気、上からは二次空気が吹き込まれ、ごみが火格子上で移動する際に、
乾燥・熱分解・チャー燃焼の燃焼プロセスを経て、次第に小さな破片に分解されて行きます
燃焼燃焼解析で対象とするガスは、O2N2CO2COH2OCH4H2CHjOk(熱分解によって発生する仮想ガス成分)から成る8成分のガスで、燃焼に伴う熱・化学種の発生・消滅を考慮して圧縮性ガスとして解析しています。
一方、ごみは付着力によって互いに結合する結合粒子として表現しており、ごみの燃焼の進行に伴って結合粒子間の付着力が次第に小さくなっていくような結合モデルを組み込むことにより、大きな塊であったごみが次第にばらばらになっていく過程を再現しています。
結合粒子が結合粒子を構成する個々の粒子にまでばらけて小さくなった後は、個々の粒子を代表粒子として扱い、燃焼が進行するにつれて実粒子の大きさが小さくなっていくものとして解析しています。
また、代表粒子の大きさについても、ごみに含まれる水分の蒸発等、粒子の質量(体積)減少に伴って小さくなっていきます。
一方、粒子の燃焼モデルとしては、乾燥度、熱分解度、燃焼度を粒子ごとに定義し、乾燥・熱分解・チャー燃焼プロセスごとにモデル化して解析しています。
また、温度場を解析する上で必要となる粒子流体間伝熱係数は、RanzMarshall則によってモデル化する一方、粒子粒子間および粒子壁間接触伝熱係数については、
独自開発の接触伝熱モデルを用いて解析しています。
この他、焼却炉内は高温になることから、輻射の影響についても粒子の存在を考慮した輻射拡散モデルを用いて解析しています。


 
 
ストーカ式焼却炉模式図

ゴミ燃焼プロセス
 
 
   粒子温度  ガス温度    酸素濃度   
 
 
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